北岳 2023.12.22−24

日時:2023年12月22日(金)〜24日(日)
参加者:会員3名
天気:晴
アクセス:JR 三ノ宮なか卯前20:30⇒奈良田バス停駐車場2:30(仮眠)
コースタイム:
12/22 奈良田7:10→7:30 第一発電所ゲート(通行不可)⇒夜叉神峠10:30→野呂川下降点11:40→アルキ沢橋13:40→17:25 池山御池小屋(泊) 7 時間
12/23 小屋5:15→城峰6:45→10:30 ボーコン沢の頭→城峰12:40→13:30 小屋(泊)8 時間15 分
12/24 小屋6:00→アルキ沢橋8:20→野呂川下降点10:45→12:00 夜叉神峠⇒帰神 7 時間
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今期一番と言われる寒気団が迫る中、怖いもの知らずの3 人が「北岳」を目指してみるが「敗退」する結果となりました。
(1 日目)奈良田のバス停に車を停めさせていただき周囲の山を見ると、期待した「雪」がありません。水場の不安もあり各自「水」を歩荷することにしました。予定通り意気揚々と林道を歩きゲートに到着してみると、平日で「リニア工事の再開」だろうか?工事車両が多く通過し「警備員」が立っています。とても登山者が通過できる雰囲気もなく、ここは一旦引き返して善後策を練り直すことにしました。3 人はクリスマス休暇を温泉に浸かるためにとった訳ではないし、他の山域に転戦する気もなく、ここは泊地到着が遅くなるだろうが「夜叉神峠」から北岳にアプローチしてみることにします。約3 時間遅れの出発です。
「夜叉神ゲート」は係の人が開けてくれ、途中の工事現場では「声がけしてもらえれば工事を止めて通行できます」と快く登山者を受け入れてくれました。鷲ノ巣山を経由するアルキ沢への降下点も見失うことはありません。降雪を予想していたアプローチ道も冬靴で歩くため少々疲れますですが大丈夫です。
ただ、激下りを歩きながら「帰りはここを登らないといけないのか」とため息がもれます。当初予定の奈良田からの林道歩きは高低差が余りありませんが、夜叉神からは距離も長くなり帰路に激登りが待っています。野呂川にかかる吊り橋を渡り、林道に上がりしばらく歩くと「アルキ沢橋」のバス停に着きました。ここから池山吊尾根に乗る急登が待ち構えています。時計を見ると午後2 時前、何とか明るいうちに小屋まで着くかなと、気持ちを入れて登ります。ブナの落ち葉が地面を覆い、所々凍っています。「池山御池小屋」に着くころには暗くなり、ヘッデンを付けて内に入ると広い部屋には誰も居なく、貸し切り状態です。室温は-10℃近く「冬山に来た」と実感しました。
(2 日目)深夜体調を悪くしたTaを残し、2 人でアタックすることになります。アイゼンとヘッデンを付けて小雪が舞う中5時過ぎに出発しました。このルートは標識が無く赤テープとトレースが頼りなのですが、暗がりではテープは全く見つけることができず、おまけに樹林帯は倒木が多くルーファイに苦労しました。そして、昨夜の降雪で徐々に雪が深くなっていきます。樹林帯から稜線部に出て、しばらくすると城峰のピークに着きました。ここからは樹間から周囲の山々が時々顔を出してくれ歩くのが愉しくなります。農鳥、甲斐駒の山頂部に雪が付いています。岩稜帯、ハイマツ帯が現れてきました。それにしても、急登が続きます。喘ぎながら登ると砂払から「ボーコン沢の頭」に連なる稜線が遠くに見えてきました。足元を見ると新雪が膝まであります。時折、烈風が吹き付けます。耐風姿勢でしのぎながら登るのですが、ハイマツ帯は風がきつそうなので風下のダケカンバの樹間にルートを取りました。雪で曲がった幹の間を「新雪ラッセル」をしながら喘ぎます。稜線部と違い雪の吹き溜まりのため足を前に進めるのも厳しくなります。時計を見ると10 時近くになり「山頂は難しいな」と思い始めます。何とか、ヘトヘトになりながら「ボーコン沢の頭」に登り詰めると、眼前に北岳の岩峰が聳え立っています。そして、この姿を見るために登ってきた達成感が湧いてきました。周囲を見渡すと360 度の展望です。冷気で肌がピンと張りつめたような雪山独特の空気感が二人を包んでくれました。これ好きです。写真を撮り「時間と下山の体力を考えるとここで下山しよう」と話し引き返すことにしました。山頂の雲の様子から展望も望めそうにない事も手伝っています。
小屋に戻るとTaが出迎えてくれ、温かい飲み物を用意してくれました。聞くと5 リッターの水を作ってくれていました。ありがたい。
(3 日目)長く高低差のある帰路が待っていました。多少の達成感があるので軽やかなはずですが、急登の登りはしんどかった。夜叉神峠に着くと駐車場が一杯です。みんな鳳凰三山のようで、北岳を目指す「もの好き」は居ないようです。
 夏に下見をし、メンバーで山行やアイゼントレをしたのですが冬の南アルプスは大きく手強かった。それだけに技量や体力を試されます。何時か後輩たちがリベンジしてくれることを願っています。(Ge)

<コース状況>破線ルートの為、マーカーがない所、倒木が多い
<特記事項> 奈良田第一発電所ゲートは事前確認が必要です

長ーい長ーいトンネル
鷲住山(わしずみやま)という山を一つ越えて登山口へ
最初で最後の3ショット