大雪山〜トムラウシ 2021.8.15-17

日時:2021年8月15日(日)〜17日(火)
参加者:会員2名
天候:1日目霧 2日目小雨 3日目晴

 4 年前、足首の怪我のおかげで行きそびれたトムラウシ縦走、やっと行くことができた。おまけに最近気になっていた幻の百名山、ニペソツまで無事行くことができ、大満足の山行となった。
 今回は予備日を十分にとってくれていたおかげで、天候・体力を考慮して無理のない日程で登山を楽しむことができた。
【8/15(日)霧・曇り】姿見駅~旭岳~白雲山避難小屋(旭川からバスで旭岳駅)
 ロープウェイを降りると観光組も多く賑やかで、旅の始まりに気分が上がる。旭岳にも子供も含め大勢の登山者がいる。その中でもCL の80ℓザックは目を引き「縦走頑張って!」と声がかかる(私は30ℓです)。登り易いのかと思っていたがとんでもない。急登とザラザラで歩きにくく、しょっぱなから息も上がる。やっとのことで旭岳頂上へ。残念ながらガスで真っ白だが、気を引き締めて、ここから長い縦走に出発。旭岳の裏側はザラザラと、思ったより下りにくい。
 時折ガスが晴れると、地球の創造を思わせるような、広大な荒れた地層と雪渓が現れる。日本じゃないみたい。なんだかむき出しの大地がえらいことになっている。向うに見えるのは黒岳だろうか。
広い砂の稜線はコマクサのどこまでも続くお花畑。北海岳分岐を過ぎると、今度はハイマツ帯とチングルマなどのお花畑が現れる(満開の時期は7 月下旬か)。ハイマツ帯に入るとやはり熊が気持ち悪く、気のいい一人旅のお兄さんと道連れになり、この後行動を共にした。
 今夜の宿、白雲岳避難小屋は管理の方がおり、有料だがとても快適だった。小川があり水場も近い。避難小屋の近くは特に花も多い。ここから緑岳・赤岳・黒岳のほうに向かう人もいた。

【8/16(月)霧・小雨】白雲岳避難小屋~大雪山~ひさご沼避難小屋
 お天気はすっきりしないが、ここからはエゾコザクラなどの花が多く、目を楽しませてくれる。なんだか見覚えのある花でも、だいたい頭にエゾとかチシマがつく。五色岳を過ぎると湿原に木道が現れ、見頃のお花が多くなり、なかなか前に進めない。カムイミンタラ・神々の遊ぶ庭とはよくいったものだ。満開のチングルマ、ピンクや青のツガザクラ、ワタスゲなどが霧の中から次々に現れれる。
 化雲岳に立ち寄り、ひさご沼分岐を経て、二日目の宿ひさご沼避難小屋へ。ここは無人の避難小屋で、ビレイが欲しいほどの恐怖のトイレがあった。沼のほとりのテン場には、北大の無人の常設テントが一張りあった。水は近くの雪渓から汲む。

【8/17(火)晴れ】ひさご沼避難小屋~トムラウシ山~トムラウシ温泉
 翌朝は気持ちよく晴れて、ひさご沼が美しい。この辺りの岩場はナキウサギの生息地で、時々チュッと声が聞こえる。目を凝らすが姿は見つけられない。歩きにくい雪渓を越え、高度を上げると、次に登る予定のニペソツや、となりのウペペサンケが見えた。
 天沼を過ぎ、巨岩と花と緑と水の広大な日本庭園へ。美しさが想像を超えてくる。訳の分からない誉め言葉とため息が漏れる。ここへこれて良かった。ロックガーデンを越えると、やがて静かな北沼の向こうにトムラウシ山が姿を現した。そうか、こいつか。すき間の開いた大岩の上を苦労して通過してやっと頂上へ。旭岳から連なる長い、長い稜線が雲の向こうに見渡せた。あんなに歩いたのか。
頂上は反対側から登って来た人でにぎわっていた。写真を撮り、景色を堪能してから下山開始。
 すぐそばでチュッチュッとかわいい声を聞きながら、南沼のほうへ下りていくと、キャンプ指定地があり、携帯トイレブースが建っていた。こちら側は登山者も多く、ゆったりしている。トムラウシ公園を過ぎ、前トム平に上り返すと、いよいよ山頂に別れを告げ、長い、長い下山がはじまる。途中水場で沢の水を補給し(浄水器使用)、残り少なくなったレーションを口に入れ、途中、短縮路への誘惑にかられながらも、森の中を歩いて、歩いて、ようやくトムラウシ温泉に到着した。
 東大雪荘での温泉の後のビール、おいしかったな(私はここで次の登山に必要な荷物を受け取り、要らない荷物を送り返した)。

キタキツネか通り過ぎます
エゾコザクラが可愛い
避難小屋のそばは特にお花畑
ため息が出ます